7>関節機能障害
浮腫を起こした下肢の足首の関節やひざの関節などをエコー検査で調べると、関節まわりの靭帯にもリンパがたまっていることがあります。
このような場合、見た目も関節自体が太くなって正座しにくくなるなど、関節運動の制限がみられるようになります。
また、高齢者の下肢リンパ浮腫では、むくみによる負担が腰痛や膝の痛みの原因となるため、歩行困難がを生じて、その治療が必要となることもあります。
このような患者さんでは、いすに座る生活が多くなるので下肢を下げている時間が長くなり、当然重力の影響でむくみが強くなります。
また、運動不足で筋力が低下することにより下腿の筋肉ポンプ作用が弱くなることも、むくみの悪化につながります。
そのため、筋力を維持するための理学療法を行う必要があります。
一方、以前に行われていた大胸筋・小胸筋を切断する乳がん手術(ハルステッド手術)では、術後に上肢のリンパ浮腫を起こすことかありました。
この場合、むくみで重くなった上肢を肩関節で支えることができなくなり、神経麻輝や肩関節亜脱臼などみられることもあるので、運動障害が強くなる前にむくみを改善する治療をはじめる必要があります。
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